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ごあいさつ

仕事も子育ても一段落し、ふと立ち止まってみると、子供のころから当たり前のように身の回りに置かれていたそれらがなぜかとても心にかかりました。それは当時80歳になる母が、忙しい家業の合間に子や孫のために縫い続けてくれた、綿入のはんてんやちゃんちゃんこでした。
成長にあわせタイミングよく縫い上げてくれるそれらの一針一針に、家族みんなの健康と健やかな成長を願う、母の愛情がいっぱいこめらていました。そしてそこには、明治・大正・昭和へと受け継がれた確かな女の手仕事がありました。生活スタイルの洋風化と、利潤追求ばかりの消費社会の中で、大切なものを失おうとしていることに気づかされた
思いでした。

母の生きた時代を何かの形で伝えたいという思いから、1999年教室と工房を始めました。綿入れはんてんを通して、和裁の技はもちろん、忘れてはならない大切な心も一緒に、次世代へ伝えていければと願っております。

工房主宰 木村壽子 

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